福間香奈女流五冠、片山史龍四段に敗れる 棋士編入試験、五番勝負は0勝2敗に

棋士編入試験を受験中の福間香奈女流五冠。第1戦で山下数毅四段、第2戦で片山史龍四段に敗れて、あとがない状況となりました。
松本博文 2026.02.17
誰でも

 2月16日。東京・将棋会館において棋士編入試験、五番勝負第2局▲(21歳)-△(33歳)戦がおこなわれました。


 10時に始まった対局は16時48分に終局。結果は115手で片山四段の勝ちとなりました。

 福間女流五冠は第1局で山下数毅四段(17歳)に敗れました。本局も敗れて2連敗となり、あとがない状況。合格に至るには、残り3連勝するほかありません。


 第3戦、生垣寛人四段(22歳)との対局は3月27日、大阪・関西将棋会館でおこなわれます。

福間「対局もそこまでなかったと思うので、集中して次に挑めたらと思います」

福間女流五冠、ここから立て直せるか

 女流棋界の第一人者・福間女流名人にライバル西山挑戦者がいどむ女流名人戦五番勝負は、西山挑戦者が3連勝で制しました。

 以上の結果により、現在の女流タイトル保持数は福間五冠、西山三冠となっています。

 2025年10月6日、福間現女流五冠は棋士編入試験の受験資格を得ました。

 上記表の結果は、棋士となってなんら不思議ではない、福間女流五冠の実力を示しています。ここから立て直すことはできるでしょうか。

片山四段、準備に怠りなし


 片山四段は2025年10月に四段に昇段。棋士としてデビューしたばかりです。コンピュータ将棋(AI)を駆使した序中盤の研究が非常に深く、現在の成績は4勝0敗で負けなし。今後が期待されるルーキーの一人です。

 局後、片山四段は次のように語っていました。

片山「公式戦を指すのと同じような感じで、それなりに準備はしてきました」「けっこう緊張感はありながら今日を迎えたんですけど。将棋に集中して、できることはやったかなという感じです」

 第1局とは先後が替わって、本局は福間女流五冠が後手。片山四段が居飛車で臨んだのに対して、福間女流五冠は早めに左端9筋の歩を突く趣向を見せました。

福間「(実戦例では以前)4手目に△9四歩と突いている将棋もあったので、予想される将棋の一つだったかと思います」

 序盤の駆け引きの末、12手目、福間女流五冠は得意の中飛車に振りました。

福間「手番が決まっているので、ある程度作戦をしぼって、考えられたかなとは思います。(中飛車の予定は)変化が多いので、場合によっては。角交換して、あまりこちらが思わしくなかったかなと思うので」

 福間陣は左右に駒を配した、バランス重視の構え。対して片山四段は左美濃の堅陣を組んで玉の守りを固めます。

 37手目。片山四段は5筋の歩を突っかけていきました。相手の飛車が待ち構えているところだけに大胆にも見えますが、ここからうまく厚みを築くことに成功します。

片山「そんなに自信があったということではないんですけど。タイミング的に、他に指したい手もそんなにないので、仕掛けるかなというところです。仕掛けてから、こちらが手厚い形に組めたので、若干指しやすいかなというのと。指し手が、こちらの方がわかりやすい展開かなとは思いました」


 角交換のあと、46手目、福間女流五冠は6筋に金を立ち、玉の脇を固めます。

 ここで12時、昼食休憩に入りました。福間女流五冠はこのあたりですでに形勢が思わしくないと感じていたようです。

福間「角交換して、あまりこちらが思わしくなかったかなと思うので。もうちょっとあのあたり、なんとかできなかったかなという気がしています」

福間女流五冠、追い込みも届かず


 12時40分、対局再開。互いに相手の陣地に角を打ち込んで攻め、激しい戦いが始まります。

 片山四段の指し回しは終始的確。駒得の実利も得て、はっきりと優位に立ちました。

 片山四段は自分の飛を取らせる代償に、一気に福間玉に迫ります。福間女流五冠は粘ってチャンスを待ち、そして最後、飛を切って片山玉に迫ります。

 片山玉も危ない形となりましたが、▲7七同玉△7六歩▲6八玉と応じて詰みません。

片山「(相手玉への)最短の寄せは逃してしまった感じがあったんですが。最後の方、こちらの玉の不詰(ふづめ)を読み切って、おそらく勝ちかなと思いました」

福間「どう転んでも負けなのかなとは思ってました」

 115手目、片山四段は飛を打って王手をかけます。これで福間玉は詰み。福間女流五冠が投了して、終局となりました。

無料で「将棋レター」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら